今日、バイト先でとても些細な事で凹み狂った。中学生みたいだ。なんだか恥ずかしい。けど我慢できんのだ。許せんのだ。
人間て本当面倒臭い。
バイト前に髪を切った。
僕が初めて自分の髪を自分で切ったのは高校一年生の時。僕は高校に上がってから、母親から小遣いを貰う事を拒んだ。なんかこう……小遣いって言葉がダサく思えた。それに、高校に上がったらすぐにバイトを始める気満々だった僕は、小遣いなど貰わずとも生活できるだろうと考えたのだ。しかし、高校に上がったらそれどころではなかった。新しい生活に慣れるだけで精一杯だった。ただでさえ人見知りな僕だ。半年間、クラスに友達ができなかった。バイトは結局始められなかった。
しかし、小遣いなど要らない、とたんかを切った以上、小遣いを貰う訳にもいかず。中学生の頃に貯めていた小遣いを使って生活しなければならなくなった。携帯代を払うだけでもしんどいのに、服や靴も自分で買わなくてはならなくなった。その上髪の毛など切りに行っていたら、半年も持たない。そう思った僕はある事に気が付いた。
(……自分で髪切れば散髪代かからねぇんじゃね?)
と。しかし、いざ切るとなると、どうにもこうにもいかず。何処をどうせめたらいいのかがさっぱり分からなかった。切ったつもりでも全然変わっとらんかったりした。おかげで髪は伸びる一方だった。
そうこうしているうちに僕はバイトを始めていた。高校に入って最初の夏休み。給料がもらえるようになって、生活に余裕が出てきても、僕は美容院に行く気にはなれなかった。お金が勿体無い、というのは勿論ある。けど、それ以上に僕は、僕という存在が誰かに髪を切ってもらうなんていう事が、どうしようもなく身の程を知らない行為に思えて。美容院にいけない体になっていた。高校の時は、自分などエタやヒニンのような存在なんだと思って暮らしていた。
それからずっと、髪を自分で切るようにしているのだけれど、一向に散髪技術が向上しないのはなんでなんだろうか……。
ちょっと前まで、髪を切る用のハサミ一本でジャキジャキ切っていたのだけれど、スキバサミを購入してからは、スキバサミ一本でジャキジャキやっている。
そして今日、なんとはなしに二本使ってみた。あんまし上手くはいかなかったけど、それはいつもの事だし、それになんかこう……よく分からん手応えのようなものがあった。……ような気がした。
自分の髪を切るとか、正直できるわけない。後ろ髪なんて見えないわけだし。手探りでやるしかない。そりゃあボサボサになるし、長さもばらばらになる。
……そろそろレベルアップしても良いと思うんだけどなぁ。
……いっそスキンヘッドにでも。
Powered by "Samurai Factory"